余市町では豊富な種類の果物を年間通じて生産していますが、旬の時期でないとそれぞれの果物の美味しさを堪能することはできませんでした。そんな余市町の美味しい果物を一年中味わっていただきたいという願いのもと、余市町の果物を使ったリキュールの製造を始めました。
単純に余市町の果物で作っているというだけでなく、余市町の中でもある農家さんがつくったりんごのふじと、別の農家さんがつくったふじは味も見た目も全く違います。それぞれの提携農家さんの果物の良さを最大限引き出し味わっていただけるよう、農家さんごとにボトリングしています。ボトルのラベルにて生産者さんは確認いただけます。ぜひ、いくつかの別の生産者さんのリキュールを飲み比べてみてください。余市リキュールファクトリーでしかできない体験です。
余市リキュールファクトリーでは、6次産業スタイルでリキュールを作っています。6次産業とは、生産(1次産業)・加工(2次産業)・販売(3次産業)の3つの産業を融合し、新たな価値を生み出すことを意味します。6次産業の代表的な例としてワインが挙げられますが、ワイン業界では自分で作ったぶどうを、自分で加工してワインを製造・販売するのが一般的です。一方、余市リキュールファクトリーでは、果物を製造する代わりに、余市町の農家さんと組むことでリキュールという新たな価値を提供しています。
酒税法では通常製造する量が6,000リットル以上必要ですが、余市町では1,000リットル程度でも良いリキュールの特区の免許を持っているので、余市リキュールファクトリーのように1人のみの製造・販売の形式でも、こだわりをもって製造が続けられています。
以前は、日本酒を製造する会社に勤めており、その会社で日本酒以外の商品開発としてフルーツ系のお酒を多く担当していました。ここでフルーツ系のお酒の美味しさを知り、自身で特化してつくりたいと考えました。
日本酒を製造することに長く携わっていた中で、南部杜氏(岩手県)の免許をとりました。この技術をリキュール製造時にも生かしています。ベースとなる余市町の品質の良い果物の味のイメージを壊さないようにお酒にし、素材の味を引き立たせ、ジュースより美味しいお酒を提供しています。